森のにおい
秋になって、踏む落ち葉の音が心地よい季節になりました。
赤や黄色に染まった落ち葉は、
樹木が自分の力で不要になった葉を落としていったものです。
自然のサイクルとは素晴らしいもので、
落ち葉の下で虫たちは暖かな冬を過ごすことができるし、
葉の無い枝が日差しを通すため、私たちも寒い季節を快適に暮らすことができます。
園庭に溜まった落ち葉で子どもたちと何かできないかと考え、
数年前から腐葉土作りをはじめました。
集めた葉をビニール袋に入れ、少しの土と水、
それに米ぬかを混ぜます。
口をしっかり閉じ、時々袋の上から揉んでいきます。
数カ月後、恐る恐る(?)封を開け、
子どもたちと腐葉土の発酵具合、出来上がりの確認をしました。
「あぁ、いいにおい!」
「森のにおいがするね!」
これまで市販の腐葉土さえも見たことのなかった子どもたち。
「いったいどんな反応をするのだろう」と不安でした。
ところが子どもたちから出てきた表現は、自然を体で感じ取ったようなものでした。
その感性を大人になっても持ち続けていればきっと、
私たちも「自然のサイクルの立派な一員」になれると思うのです。
(グリーンデザイナーKaoru)
